瞳
いつも君の目を見ると思うことがある。
『なんて綺麗な色の瞳なんだろう。』
栗茶色と言うべきか、狐色というべきか。
君の瞳は黄色味掛かった薄い茶の美しい色をしている。
そんな君の目に見つめられるだけで
私の鼓動は普段の数倍も早くなる。
楽しそうに音の波の中にいる君がふと、
こちらを見て、目が合う。
それだけ、たった一瞬のことでも、
時が止まったように感じる。
美しい、唯、
それだけでは言い表せないような。
人を狂わしてしまうような、
恐怖すらも孕んだその美しい瞳に
どんなものを写してきたのだろう。
自分たちに熱狂する人々?
輝くスポットライト?
それとも…
苦難の中の己の姿?
夢に敗れて行った人?
正解なんて知ることはできないけれど、
君はたくさんの物を
その瞳に写してきたのだろう。
唯、生まれ持った美しい瞳の色だけでなく。
煌めきも闇も
たくさんの物を見てきたからこそ。
君の瞳にはその美しさがある。
と私は思う。
これからも
その瞳でたくさんの人を魅了して。
君の、君達の持つ世界に連れて行って。
その世界に嵌ってしまった私を、
いや、私たちを抜け出せなくして。